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院長のコラム

院長 毛呂文紀

こんにちは、毛呂です。

(ちょっと遅くなりましたが…)あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。お正月早々、嬉しいお話を聞きましたのでちょっとご紹介したいと思います。僕は少林寺拳法を診療時間が終わってから近くの小学校の体育館をお借りして近所の皆さんに指導させていただいておりますが、このお話は少林寺拳法のとある先輩道院長のお話です。
(先輩の道場で)「コップに半分水を入れて演台の上に置いた。そしてこう言った。 『さあこれで詩を作ってみよう!』 『制限は何もないから自由に作ってみよう!』
そう言って三十分道場を離れた。ほとんど全員が初めて詩を作るのである。かつて一度も体験したことのない授業が子どもたちにとってどう感じるか…これはひとつの勝負だった。白紙の回答が多いかもしれない…覚悟はできていた。でも心の奥で子どもたちの感性を信じていた。子どもたちの中に眠っている何かを目覚めさせたい。  
三十分経って道場に戻ったら祭壇の上には、なんと初めての作品(詩)が積み重なっていた。ドキドキしながらも一枚ずつ丁寧に目を通したが、ひとつひとつが何と素晴らしく感動的な詩であったことか。とても小学生が書いたとは思えないそれぞれの世界がそこにあった。  

たった一つのシチュエーション…コップ半分の水…ここから子どもたちの言葉への目覚めが始まった。私には確かな感触があった。
作品の中に
『水が半分入ったコップは突然倒れて転がった。
そして水は初めて自由になった。…
そして水は初めてとまどった。
自分の形とはなんだろう…かと』  

鳥肌が立つほど、素晴らしい感性。ただその才能に気づいていない子どもたち。私はひとつずつ、その作品のどこに感動したかを話し始めた。  

思いがけなくほめられた一人ひとりは照れるようにうつむいたり、恥ずかしそうに表情をこわばらせた。その作品のひとつひとつが子どもたちにとっては宝石の原石であることに気づかせてあげたい。自分の言葉と伝えたいココロに誇りを持って欲しいと、私は祈った。」
なかなか良い話だと思いませんか?最近の子供は感性が足りない…等とよく言われますが決してそうではないとこのお話を聞いて良く解ります。子供たちは我々が思うよりむしろ感性のままに生きているのでしょう、しかし現代はそれを表現する機会が少ないのかもしれません。  

もうひとつ、「MOKU」(MOKU出版 http://www.moku-pub.com/)という僕が愛読している月刊誌があります。その1月号に面白い記事が載っていましたのでかいつまんでご紹介します。とある児童劇団で「子供の感性を評価する問題を考えてほしい」と藤本義一さんが依頼されたそうです。藤本さんは随分と悩まれたそうですが最終的にこういう問題を考えついたそうです。それは「トンボとセミの違いはなにか?」という問題でした。この問いに対する答えによって、その子の役者としての適正が良く解る結果となったようです。大きく4つのパターンに分かれるそうですが、一番多いのが「形」に関する答えで、こういう答えをした子は、概して外向的な傾向があるそうです。50人中一人だった答えはここでは書きませんが、その答えを書いた子は何の役をやらせてもちゃんとこなせる名優なのだそうです、これは天性のものなのでしょうか…。ちなみに僕は「生い立ちが違う」と書きました。すなわちトンボは水中でヤゴとして幼虫時代をすごし、セミは土中で過ごし成虫になるということです。こういう答えを書く子もいるそうですが、はまる役とはまらない役があるそうです。  

僕はスタッフ達に「感性は大人になっても養う事が出来る」と言ってます。よく「感性が無い」なんて失礼な事を言われる人は、感性を表現する機会が少なかったり、表現の仕方が下手だったりするだけなのではないかと思います。歯科の治療はまさしく「感性」が勝負です。僕の感性が鋭いかどうかは判りませんが、日々のスタッフとの勉強会やディスカッションでは僕のモノ(診査、診断、治療、時事問題、本、映画、音楽…)の見方、感じ方の話が主体です。

最初は遠い目をしていたスタッフも、何度も諦めずに話をする事で徐々に(あるいはある日突然)目に輝きが出てきますし、実際患者様とお話しする時の対応が変わったり、勤務態度も生き生きとしてくるのです。これは感性が養われた証拠なのではないでしょうか。

来院されている患者様には恥ずかしい話です、というのも、僕もスタッフも「まだまだなあ」と思う事はしばしばですから。しかし我々は感性も技術も成長するものと信じて日々研鑽しております。来院された患者様に「前より良くなった」と言われるように今年も頑張りたいと思います。


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